眼の病気に関するQ&A
白内障に関する10の疑問
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Q1
白内障はどのような症状がありますか
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A1
「目がかすむ」「ぼやける」「まぶしい」「街灯や蛍光灯の周りに虹がかかる」「お月様が二重三重に見える」「天気によって見え方が違う」「1日のうちに見え方が変る」「中年以降に近視が進んだ」などです。また頭痛や肩こりを伴うことがあります。
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Q2
白内障はどこが悪いのですか
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A2
眼球の中にはカメラのレンズの働きをする水晶体があり、これが濁るのを白内障といいます。もっとも多いのは年齢が関係した加齢性白内障です。その他、アトピー性皮膚炎と関係しておこるアトピー性白内障、糖尿病に関係した糖尿病性白内障、外傷によっておこる外傷性白内障、生まれつきの先天性白内障などがあります。白内障には個人差が大きく、同じ程度の濁りでも水晶体の周辺部よりも中心に近いほど見えにくさやかすみなどの症状が強いということがあります。また両眼が同じ程度に濁ることが多いのですが、片眼の濁りが他眼よりも強いということもよくあります。
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Q3
白内障の治療法について教えてください
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A3
濁ってしまった水晶体をもとの透明に戻す治療法はありません。白内障の最終的な治療は手術です。これによって混濁した水晶体を取り除き、水晶体の代わりとして眼内レンズを入れます。もう少し詳しく説明すると、水晶体はちょうどぶどうの実のようなものであって、手術によって中身を取り除き、ぶどうの実の袋の部分(水晶体嚢と呼びます)は残しておきます。そして残った嚢の中に眼内レンズを入れてレンズを安定させます。点眼薬や内服薬を処方することもありますが、皮質白内障といわれるタイプには、進行を抑える効果があるとされています。しかしどのような薬物治療ももとの透明な水晶体に戻すことはできません。
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Q4
手術はいつしたら良いのですか
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A4
「本人が不自由を感じたときにする」のが原則です。たとえば白内障のために視力が0.5に下がったとします。自動車の普通免許は矯正視力(メガネを最大限に合わせた場合の視力)が0.7以上なければいけませんから、運転免許を取るのが目的であればこの時点で手術が必要になります。しかしながら、自動車の運転はしないし日常生活にも特に支障を感じないのでしたら手術を急ぐ必要はありません。ただし、白内障が進行しすぎると水晶体が非常に硬くなり、手術が難しくなることがあります。また、白内障が邪魔をして網膜などの検査や治療が十分にできない場合には、早めの手術が望ましいこともあります。あまりに遅すぎる白内障手術は合併症が起こる確率が高くなるので、やはり適切な時期に手術を躊躇なく行うというのが正しいと思います。
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Q5
手術はどのようにするのですか
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A5
現在、最も一般的に行われている白内障手術は、「超音波乳化吸引術」という方法です。黒目(角膜)の端に約3ミリメートルの小さな切開をつくり、そこから細い器具を眼の中に入れて手術を行います。水晶体は、直径約9ミリメートルの、ぶどうの実を平たくしたような形をしており、透明な薄い袋(水晶体嚢)に包まれています。手術では、まず水晶体の袋の前面に直径約5.5ミリメートルの程度の円形の穴を開けます。次に、超音波を出す細い器具を使って、濁った水晶体の中身を眼の中で細かく砕きながら吸い出します。その後、残した袋の中に、折りたたんだ人工の眼内レンズを挿入します。眼内レンズは袋の中で広がり、元の水晶体の代わりに光を集める働きをします。切開した傷口は小さいため、通常は糸で縫う必要がありません。(当院では、従来から使用されている信頼性のある単焦点眼内レンズだけでなく、乱視を矯正できるトーリック眼内レンズ、2重焦点を持つ分節型眼内レンズなどを取り扱っています。)
白内障の手術時間は一般的に10〜20分程度ですが、白内障の進行程度や眼の状態によって異なります。白内障が非常に進行して水晶体が硬くなっている場合や、水晶体を支える組織が弱くなっている場合には、通常の方法では手術が難しいことがあります。そのような場合には、切開を広げて水晶体を取り出す方法など、眼の状態に応じた手術方法を選択することがあります。また、水晶体を支える袋が使えない場合には、眼内レンズを眼球の壁(強膜)に固定する「眼内レンズ強膜内固定術」や「眼内レンズ強膜縫着術」などが必要になることもあります。このような手術は60分以上かかることもあります。
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Q6
手術は痛いですか
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A6
白内障手術で用いられる麻酔には、目薬による「点眼麻酔」や、眼の周囲に麻酔薬を投与する「テノン嚢下麻酔」などがあります。点眼麻酔は白目(結膜)の出血をすることがないので、手術翌日にどちらの目を手術したのかわからないくらいきれいなのが普通です。ただし、眼球の動きを止めることはできませんので、術中には患者さんと術者との連携(目を動かさないなど)が非常に重要です。テノン嚢下麻酔は、眼球の周囲に麻酔薬を投与する方法です。点眼麻酔よりも眼球の深い部分の痛みを抑えることができ、眼球の動きもある程度抑えられます。ただし、麻酔後に白目が赤くなる(結膜下出血)ことがあります。手術中は意識がある状態が一般的で、明るい光が見えたり、眼を押されるような感覚があったりすることがあります。痛みや不快感がある場合には、遠慮せず医師に伝えてください。また、認知症や身体的な問題などによって局所麻酔での手術が難しい患者さんに対しては、全身麻酔による手術を検討することもあります。
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Q7
手術は入院してするのですか
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A7
日帰り手術が可能です。入院する場合でも片眼であれば1〜2日の入院、両眼の場合は4〜5日の入院が普通です。日帰り手術では、入院よりも安静が十分にとれないので手術の結果が悪いのではないかと心配する患者さんがいますが、そのようなことはありません。日帰り手術の場合でも、手術の前日と手術当日、手術直後の3日間は連続した通院になります。その後は1週間後、2週間後、1か月後~と徐々に間隔をあけて経過をみていきます。
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Q8
手術をすると必ず見えるようになるのですか
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A8
手術そのものの成功率はかなり高いのですが、眼内レンズの特性やレンズの度数に関係した不満、手術前からあった角膜乱視(黒目の歪み)に関係した不満が手術後に発生することがあるので、十分に納得してから手術を受けるのが良いと思います。具体的には以下のような事柄があげられます。
1番目の問題は「必ず見えるようになる」と患者さんが言われる場合、どの程度の見え方を期待しているのか(いたのか)という問題があります。たとえば手術をする前の視力が0.7だった人と、灯りがやっとわかるくらいの視力だった人が、術後に0.7になった場合では当然満足の程度は違います。中には「この程度しか見えないのか」と不満に思う患者さんもいるかも知れません。そのようなことのないように、手術前に十分に医師と話し合っておくことが大切です。
2番目に眼内レンズに関係した事柄があります。若い時の水晶体は弾力をもっていてピント合わせの機能がありますから、遠くを見るときは遠くに、近くを見るときは近くに焦点が自動的に合います。ところが40歳をすぎる頃から水晶体が硬くなりはじめ老眼が始まります。眼内レンズは合成樹脂で出来ていますから、このような硬くなった水晶体と同じく弾性をもっていません。一般的な単焦点眼内レンズでは、遠くか近くのどちらかを中心にピントを合わせるため、手術後も見たい距離に応じて眼鏡が必要になります。眼鏡をできるだけかけたくない方のために、複数の距離を見やすくする多焦点眼内レンズがあります。しかし、夜間に光の周囲に輪が見える「ハロー」や、光がにじんで感じられたりする「グレア」が生じるなど多焦点眼内レンズ特有の見え方に対する不満が起こりえます。費用も高額で、眼の状態によっては使用できないこともあるため、あまり一般的ではありません。その他、レンズの種類によらず、術後に「まぶしい」という訴えをされる方がいます。これは、それまで濁った水晶体を通して見ていた景色が急に明るくなるため、光や色の見え方の変化を感じるためです。こうした症状は時間とともに軽減することがありますが、経過には個人差があります。
3番目の問題として術後の屈折値に対する不満ということがあります。眼内レンズはメガネと同じで度数を持っています。狙ったピントの位置にあうような度数の眼内レンズを入れるのですが、人間の目は機械ではないので術後に必ず度数が少しずれます。この度数ずれが一定の許容範囲におさまってくれれば、そのままで十分に満足である、あるいは度数の弱いメガネで矯正するなどして問題はないのですが、大幅にずれて強い近視や強い遠視になる、あるいは左右眼の度数のバランスがとれないような場合がたまにあります。このときには再手術をして、眼内レンズを交換するなどの措置を行います。再手術が必要かどうか、また必要ならばいつ手術をするかは医師と相談して決めます。
4番目に角膜乱視の問題があります。角膜乱視とは、黒目(角膜)の持つ「歪み(ゆがみ)」です。ラグビーボールを横においたような歪みは直乱視と呼んで、縦においたような歪みは倒乱視と呼びます。その他、眼鏡では矯正できない特殊な凹凸があるのを不正乱視と呼びます。強い角膜乱視があると、手術後にものが二重に見えるようになったなどの不満が出ることがあります。このようなケースに対応するため、乱視度数があらかじめ加入されているトーリック眼内レンズを使用することがあります。しかし、すべての乱視を完全に取り除けるわけではないことに注意が必要です。
このように、術後の見え方には様々な要因が関与しています。大切なのは、手術前にご自身がどのような見え方を希望するのか(遠くが見たいのか、近くが見たいのか)を医師に相談し、眼内レンズの特徴や手術の限界について十分に理解することです。
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Q9
白内障手術をしたあとに、将来もう1度白内障手術をすることがありますか
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A9
通常はそのようなことはありません。ただし、眼内レンズが支えている袋(水晶体嚢)がしばらく(数ヶ月~数年)して濁ってしまうことがあり、そのために視力が低下することがあります。これを後発白内障(こうはつはくないしょう)と言います。治療は、レーザー光線を当てて濁りの部分を飛ばしてしまいます。1~2分で終わる簡単なものです。
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Q10
緑内障があるのですが、白内障手術ができますか
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A10
できます。ただし、以前に急性緑内障(目が急に真っ赤になり視力が急激に低下し、頭痛や吐き気のほか七転八倒の痛みがある)を起こしていたり緑内障の手術(レーザー虹彩切開術など)を受けていたりして黒目が痛んでいる場合(角膜内皮細胞の数の減少や形の異常)には白内障の手術に目が耐えられない場合があるので(これは術前の角膜内皮細胞写真撮影検査でわかります)、医師と十分に相談する必要があります。一般には、緑内障の目に白内障の手術を行うことで眼圧が1〜2mmHg下がり、また緑内障の検査である視野の検査の信頼性が上がるなどの利点があるので、むしろ緑内障の患者さんは早めに白内障手術をした方が良い場合も多いと思われます。
